冴子がチョータと呼んでいたやつは翔太の事…


「れれー?なんでー?だって光ちゃんとチョータは付き合ってるんでしょ?」


冴子は訳が分からずただ混乱しているようだ

「もう、あんた黙ってなさい」

瑞穂が冷たい眼差しで冴子を見る

「えぇ~なんでッ!!」


冴子はその隣で膨れていた


(付き合ってるねー…)

私は心の中で呟いた


(本当はどうなんだろ?)






「お,うまそうな玉子焼きじゃん♪もらいッ」


後ろから声が聞こえたかと思うと手が伸びてきて、私のお弁当箱から器用に玉子焼きだけをヒョイと持ち上げた


私は驚いて振り返る



「んまい♪」


「直ッ!!!」


そこにいたのは同じクラスの佐倉 直だった

「よぉ…これお前が作ったの?俺は甘い玉子焼きのが好きだなー…」

「う///うるさいッ//」

私は顔を真っ赤にそめて直を睨む


目の前にいるこいつは、昨日私のファーストキスを奪った男なのだ