「翔太は覚えてるかなぁ…」

私は空を見た

目に溜った涙が溢れないように…

今日はいつもより暗い空

(やっと冬が来たみたいだ)

私の頬を熱いものが流れた



「好きだ…翔太…
…大好き…」


何度も何度も、繰り返し呟いた言葉は12月の冷たい風にかき消された

「俺もだよ」
って,返って来るんじゃないかって


そんな甘い期待をしたのに


「翔太…」




「何?」

「!?」

後ろから声がした

振り返って見るとそこには見覚えのある人物

「しょッ翔太!?」


「おー…」


私は口をパクパクしながら翔太を指差す


「なんで…ここに!?
覚えてたの?」

私は翔太の近くまで駆け寄り問いかけた

「俺がプロポーズした日だもん…
忘れるわけないよ…」

翔太は悪戯っぽく笑って言った