「大丈夫?」


百合ちゃんは心配そうな顔して、こっちを見てくる。


・・・ありがとう


そっと裾を引っ張られた。


驚いた拍子に、振り向くときみはノートを見せてくれた。


「Xは174です」


「よし」


先生は傍から離れた。


きみは知らないふりをして、窓側を見た。


「ありがとう」


聞こえるか聞こえないかぐらいの声を出した。