そんなことを思い出しながら、わたしがユウキを見上げると、ユウキはわたしのおでこをつついて、またにっこりと笑う。

「何でそんなに見てんの? 俺がイイオトコなのは知ってるけどさ」
「えっ・・・・・・」
 
 わたしがとっさに言葉が出なくて顔を赤らめると、ナオはあきれたように口を出す。
「も~! そこはつっこむとこでしょ。どこにイイオトコがいるのって~」
「ナオ、おまえにいいことを教えてやるよ。さちにあって、ナオに無いもの」
「・・・・・・何よ」
「可愛げ」
 ナオはユウキが言い終わるか終わらないかのうちに、素早く頭をひっぱたいた。
「いて! ホントのことだろうが!」
「あんた、グーで殴られたいわけ!」
 
 傍から見たら、つきあってるのはわたしだって思わないだろうな。

 そのくらいナオとユウキはお似合いだった。