わたしは、ナオにそういう言い方をされると、いつも何も言えなくなってしまう。

 こわくて。

 クラスの連絡網も、教室変更も、課題の提出も、ときどき思い出したかのようにナオのところでストップする。
 他の子に聞いても、「ナオが伝えてくれるって言ってたけど?」と首を傾げられ、ナオは「私は言った」の一点張りだ。
 
 頭が良くて面倒見のいいナオが連絡ミス? まさか。さちがうっかり忘れちゃったんじゃないの。

 最後は、いつもそこにまとまってしまう。
 毎回のことではないし、本当にナオが意図的にしているのかも分からないので、わたしは黙りこむ。

 ナオのことが嫌いになるわけじゃない。
 ただ、わたしは不安なんだ。
 
 ・・・・・・ナオ、本当は、どう思ってるの。わたしのこと。