驚いて顔を上げると、ユウキが顔をしかめて立っていた。

「何だよ~。メール見てないの?」
「え・・・・・・あ、ごめん」
「校門で待ってるって送ったのに、出て来ねーんだもん」
「あ、うそ。ごめん、ごめんね」
 わたしはあわててガタガタと席を立つ。

「あのさあ、さち」
 ん? と、ユウキのそばに走り寄りながら、わたしは首を傾げた。
 ユウキはドアに背をあずけながら、ふう、と一つ息を吐く。

「何か、悩みごと?」
 どきり、と心臓が動きを止める。