この辺りは街灯が多く正直そこまで危険ではないが、ま、時代が時代だから何があるか分からない。


『優ちゃんの家ってどの辺?』


「えっと…詳しい住所はまだ覚えてないの。私引っ越してきたばかりだから…。」


『あ、引っ越してきたの?』


「うん、だから空ちゃんと海君がここでの初めての友達なの」


『へぇ~!私たちこの辺り詳しいから、いつでも頼ってきてね。あ、そういえばまだメアド聞いてなかったね?教えて!』


「あ、うん。あの…海君も…教えてもらっていい?」


空は教えて俺は教えないとでも思っていたのか?なんで俺の了解がいるんだ?


「いいよ。じゃあ俺から(赤外線)送るから。」


俺たち兄妹のメアドを受信している優の顔はどこか嬉しそうだった。


「ありがと、あ!私の家、もうすぐそこだからここでいいよ。今日は色々とありがと。海君、ごちそうさま。」


「どういたしまして。また来たくなったら、いつでもおいで。」


「うん、それじゃまた学校でね!」


『ばいば~い!』


優は手をふりながら俺たちと別れ、曲がり角で消えた。


「さ、帰るぞ。」


『うん、あ!兄貴アイス買って~。』


「はい、却下。早く帰ろうね~。」


『ちぇ~。』