映画館は俺や海の家から近く、送り迎えだけで電車をニ往復する。ま、苦じゃないけど。






「へぇ~…大きな映画館だね~?初めて来たよ。あ、クレープがある~。」


子供だな~♪かあいいな~!なんでも買ってあげたくなっちゃうぜ。


先に映画を見ることにし、お菓子とジュースを大量購入して、ベストポジションに座った。


見るのは緑が希望したベタベタな恋愛映画。

嫌いじゃないけど、俺的にはファンタジー派。


キスシーンに入ると、手を重ねてきたので、指を絡めて握った。


すると嬉しそうな顔をして、肩に頭を乗せた。柔らかい、シャンプーのいい匂いがした。









「感動したね~。泣きそうになっちゃった~。」


エンドロールに入り、手を握ったまま、映画館の中をうろついていた。


今分かったけど、緑は結構映画好きで、思った以上に知識を持っていた。ずっとテレビを見ているとこうなるらしい。