9年前



空を一人で帰らせ




大地とともに遠くの
駄菓子屋に行った俺は





大地のお母さんから





空が交通事故に会ったことを知らされた






「空!空!空!」





急いで病院に行った時、父さんと母さんは






医者と一緒に何か話し




母さんは泣き崩れた





「パパ……空は……?」





「海……、空は……もう…」





「あ!空!」





手術室から出てきた傷だらけの女の子に





俺は






空と名付けた






「パパ!空大丈夫なの?」






母さんは更に泣き、父さんは俺を抱き締めた





「大丈夫だ……、あれは空だ……。お前の妹、双子のもう一人、風羽 空 だ……。海、お前は空を……守ってやるんだ…」






震えた父さんの声



泣き叫ぶ母さん




空によく似た女の子






俺一人だけが






真実を知らず





知った気でいた