下手に出る返答を予想していた春桜は驚いた。


「叫びたいなら叫べばいい。でもそれで得るものはあるのか?好きになった男を陥れて、それで君は満足するのか?」


「それは…」


「こんな形で付き合った彼氏を本当に愛せるか?脅したことを後悔するのは君だぞ?」


「う…ひっく…」


俺の胸に顔をうずめ、さっきとは違う涙を流した。


「ごめんなさい…ごめんなさい…。私、私…。」


ロックが外れたので、春桜を抱えながら起き上がった。


しばらく泣いている春桜の頭を撫でていると、春桜は自分から俺から離れた。


「本当に…ごめんなさい……。間違ってたね、こんなやり方…」


「君はかわいいから、他にもいい人は絶対現れるよ。」


「ううん、私諦めない…。絶対海くんを私の彼氏にしてみせる。正しい方法で。今はまだお互いのことをよく知らないだけだから…」


明るい表情に戻り、部屋に来る前より清々しい顔だった。


「ふ、じゃあ期待してるよ…。早く部屋に帰りな。そろそろ巡回の時間だ…」


「うん…、それじゃ…」


静かに自分の部屋に走って行った。


全く…、初日から疲れるな…。