部屋に戻り、お気に入りのドライヤーで髪を乾かしていると、メール(携帯無断持ち込み)が入ってきた。兄貴からだった。


《今から大地と部屋に行く。先生の位置を教えて。》


ドアを開けて巡回の先生の動きを確認する。この合宿場は男女の距離がかなり遠いため、巡回は油断していて結構甘い。


『みんな、今から兄貴来るよ?』


携帯でメールを作りながら言うと、みんな慌て身だしなみを整え始めた。


10分もしないで兄貴が窓から侵入した。我が兄貴ながら、侵入や潜入の技術は並じゃない。


『先生に見つからなかった?』


「あぁ、大丈夫だ。相変わらず女の子の部屋はいい匂いがすんな。野郎の部屋とは大違いだ。」


『ふふっ、じゃあ早速本題に入ろ。トランプでもしながらね。』


バスではできなかったから、できる内にしたい。私が兄貴に勝てる種目は少ないからね。


みんなも緊張しながらも参加してきた。
大地は女の子の部屋に入ったってこと自体緊張していて、
優ちゃんたちは自分たちの部屋に兄貴が入ったことに緊張していた。