大地たちが着いた40分後くらいに、優を抱えた俺が到着する。優の足を川に入れて冷やしている間に俺たちは辺りの捜索を開始する。


「ゴメンな海。俺らが反対したばっかりに……」


「今さら言ったってどうしようもないし、後悔してもカードは見つからん。………?どうした空?」


若干態度がよそよそしいことに気づいた。


『え、あ、いや…なんでもない…』


なんか不信感はあったが、とりあえずカード探しに集中することにした。最低3枚と言ったプライドは守る。


「とにかくどこか変なところを見つけたら教えてくれ。」


「あ、海。あれは?」


川がカーブしているところの近くに、不自然に石が積まれていた。


「あれならあの下にカードがあってもおかしくないな。よし、行くぞ。」


石をどかし、地面が見える代わりにカードがあった。デザート(いちご)のカードだった。


「よし!三枚目!残り時間は1時間半くらいか。次はどうする?」


「いや、戻ろう。優ちゃんもケガしてるし、俺の目標も達成できた。これ以上探しても意味は無い…」


優のところに戻り、カードを見せた。ホッとし、今から帰ることに反対した。


「もう冷やしたから大丈夫だよ?それにまだ時間は半分近くあるんだからもう一枚くらい……」


「ダメだ。もう俺の意見には逆らわせない。戻ると言ったら戻る。」


再び優をおぶり、スタート地点に戻る。逆らわせないの言葉が効いたのか、優は大人しく従った。そんな俺たちを、誰にも気づかれず、空が嫉妬の目で見ていた。