俺も簡単に部屋着から着替える。するとタンスの上にあった手作りペンギンのぬいぐるみが目に入った。


俺と空の誕生日は年末と正月、家族内でもなかなか祝えない。
だから俺たち双子は小学4年からは年が変わるカウントダウンで互いにプレゼント交換をすることにした。


このペンギンは初めて空が俺にくれたプレゼントだ。ちなみに俺があげたのはマフラー。


俺はこれを宝物にしてる。一生懸命作っているのを見ていたからだ(空は気づいていないが)。空も同様に俺からもらったマフラーを大事に今でも使ってる。


そうだ、俺たちは兄妹、双子なんだ。余計な感情持たずに兄妹らしくしよう。


『兄貴~、できたよ~?』


「あぁ、すぐ行く。」


財布と携帯をポケットに入れて部屋を出る。


スーパーに向かって歩いていると、空が俺の腕に抱きついた。手を払おうとしたが、さびしそうな顔をしたのでやめた。


「……、今日だけだぞ?」


『うん!』


スーパーに着いてからも空はずっと腕にくっついていた。俺に許しをもらったのが嬉しかったらしい。周りから注目され、かわいい、とか、かっこいい、が連発され、夫婦?、とかの声もあった。