ガラッ

「大輝せんぱ~い!」

休み時間。

図書室の扉を開き、
先輩の姿を確認して、いつものように前に座る。


本に向けていた視線を前に向け、またか。と呆れたような目で見てくる。

でも、そんな事をいちいち気にしてちゃ、先輩と仲良くなれない!


「先輩、何読んでたんですか?」

「小説。」

そう返事をした先輩は、
パタンと本を閉じてしまった。

「あれ!?もう良いんですか?」

「これ1度読んだ事あるから。」

ほほ~ぅ。と私が納得していると、先輩がさらに言葉を付け加えた。


「それに。
結城が居たら、小説に集中出来ない。」