「高校のときにね…「あの」
私は美優さんの言葉を遮った。
どうしても真相を知りたくなったんだ。
「もしかして…記憶、戻ったんですか??」
失礼承知の質問。
違ってたら私、最悪な人間だ。
でも、きっと私の予感は当たってる。
「そうよ。
今から1年くらい前…やっと、記憶が戻ったの」
美優さんはほっと息をついた。
「お医者さんに言われたわ。
これはキセキだ、って。
こんなこと考えられない、って。
でも記憶…戻ったの。
幼い頃の記憶はないけど、中学生くらいからの記憶なら思い出せる
まあでも、目は戻らないけどね」
最後に悲しそうに笑った美優さん。
やっぱり、記憶…戻ってたんだ。
じゃあ…どうして?
なんでそのこと、優作さんに黙ってるんだろう…