「そろそろ…鈴ちゃんの一番聞きたい話をしようかな。」


ナプキンで口を拭いて矢倉くんが真剣な眼差しになる

「平瀬純一はうちの親父と大学の同級生だったんだ。鈴ちゃんと萩乃宮の婚約の記事が新聞に乗った頃に、親父のアルバムから写真を見つけた。」



そう言って
矢倉くんは一枚の古い写真を私に見せた


矢倉くんによく似た男の人と肩を組んで笑っている男の人…
着ているシャツには“平瀬”と書かれた名札が付いている


その隣には…

「私にそっくり…。」


優しい顔の女の人が写っていた


「真ん中にいるのが鈴ちゃんのお父さんの純一さんで、その隣にいるのが純一さんが当時付き合っていた女性……柳沼ひろ子さんだよ。

その写真から分かるように、鈴ちゃんのお母さんだと思う。」



私の
お父さん…


お母さん…