ありえない


そう強く思いながらも


どこかで本当の親への期待と興味がうずきだす



「平瀬さんのお父さんの名前は、平瀬純一。
知ってた?」



平瀬純一…


ひらせ…じゅんいち…


初めて耳にする父親の名前


動揺を隠して私は矢倉くんに聞く


「どうして、お父さんを知ってるの?」


「それは…まだ教えられないよ。
今度ゆっくり二人で会いたいな?」


そう言って私に握らせたのは矢倉くんの連絡先



「連絡してね。
待ってるよ?」


ニッコリ笑って私の前から去っていった




私の中で
様々な葛藤が始まった