もう平気だ、
わたしは感じる。
さっきとは違うステージ。
あとは、
もう、
何も考えないでも、
海まで行ける。

この先の、
わたしが進むべき道、
あざやかに見える、
そんな気がした。
正解のルートが、
目の前に現れ、
自分が何をしているか、
はっきりとわかる。
ここまでで、
たったこれだけでも、
わたしの旅は
成功したのと同じだった。

わたしの胸が
空とつながったみたいに、
気持ちがいい。
わたしの足、
地面に着いてる?
ちょっと浮き上がって
進んでいるかもしれない。
でも、構わない。

後ろへ戻ってさえいなければ、
歩いているか
飛んでいるかなんて、
どっちでも構わない。

そう、
わたしは、
泳いでいるのかもしれない。
海へと続く道を、
この空の下を、
全身の筋肉をつかって、
泳いでいる。
わたしは、
帰るべき場所を
知っている。
魚のように知っている。
だから、魚のように
泳いでいるのだ。

空気の中を泳げる魚は、
どこへでも行ける。
わたしは、空へ、舞い上がる。