『カレー』
街中を走るカレーの屋台
カレーの屋台なんてのもあるんだと思って
思わず注文してしまった
屋台の男は無愛想に「300円」と
寸胴鍋の中をかき回している
ズボンのポケットから300円を
無愛想な男に渡すと、
寸胴鍋の中がぐるぐると回って、
いつしか宇宙が零れてしまっている
オヤジさん、これじゃあもったいないよ
という声も無愛想なオヤジには届かず
零れた宇宙から、カレーをすくい上げて
ポリスチレン製の器に入れた
宇宙の切れ端がカレーの中に混ざっている
とろうとして指をヤケドして
指をくわえたら、あまいくだものの味がした
これ、甘口なんだねと無愛想な男に言ったら
「過去の味ですから」と
くちもとをゆるめて
カレーが鍋の中で回っている
街中を走るカレーの屋台
カレーの屋台なんてのもあるんだと思って
思わず注文してしまった
屋台の男は無愛想に「300円」と
寸胴鍋の中をかき回している
ズボンのポケットから300円を
無愛想な男に渡すと、
寸胴鍋の中がぐるぐると回って、
いつしか宇宙が零れてしまっている
オヤジさん、これじゃあもったいないよ
という声も無愛想なオヤジには届かず
零れた宇宙から、カレーをすくい上げて
ポリスチレン製の器に入れた
宇宙の切れ端がカレーの中に混ざっている
とろうとして指をヤケドして
指をくわえたら、あまいくだものの味がした
これ、甘口なんだねと無愛想な男に言ったら
「過去の味ですから」と
くちもとをゆるめて
カレーが鍋の中で回っている