「ね、」



「……」



京平は
適当に壁に寄り掛かって、適当に膝を立てて座り
適当にオレを見た。



「死んだ人の顔って見たことある?」



「ないよ」



京平はピシャリと言い放って、擦り切れた上履きと一緒にペタペタと廊下まで向かった。



あいつは
この手の話が嫌いだな。



あいつが
俺の扱いに慣れてるように
俺もまた
あいつの扱いに慣れている。