「さっきはごめんな」
奏斗が言った。
その声で、あたしの脳は現実に戻される。
「俺、ただ姫のためにって思って頑張ってた。将来のこと考えて、いや、将来のことばかり考えすぎて、目の前のモノ見てなかったんだ」
将来のこと、あたしも考えてたよ。
だけど、あたしは"今"奏斗と幸せでいたいの。
それでよかった。
「大変だった。だけど、そーゆーの見せたくなくて…姫に怒鳴ったりして最低だよな、俺。格好悪かったよ」
そこまで言って、奏斗は悲しい顔をした。
そんな顔しないで…
あたしまで悲しくなるよ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…