「あの、雅斗様、李子様」


「ん?」


「李斗様には、本当に私が“女”って言わないでいいんですか?」


「うん。いいよ。言わなくて」


「そうよ。大丈夫」


そう二人に言われ、私は何も言えなくなってしまう。


「それじゃあ、貴方が暮らす部屋に案内するわ」


李子様に言われ、私は荷物を持って立ち上がる。


「では、また後で。失礼します」


雅斗様に頭を下げて、私は李子様のあとを追った。