「ねぇ菜々ちゃんはさ、彼氏とかいるの?」

「いないですー・・・」

「俺さ、菜々ちゃんまじでタイプなんだけど!!」

「ありがとうですー・・・」


(海十の野郎・・・菜々さん困ってんじゃねぇかよ)


「おい海十!!お前職員室に呼ばれてたんじゃなかったか?」

「おっといけねぇ!!またね菜々ちゃん」

「ったく、あいつ大の女好きだから嫌なときは嫌って言ったほうがいいよ」

「留太さん・・・ありがとうです!!」

「お、おう」


(思い出せそうで思い出せないー!!!!!!)

「菜々ちゃん、わたしこのみ!!よろしくね」

留太の後ろからこのみが顔を出して自分を自己紹介した。

「こちらこそです。お二人は付き合っているのですか?」

「そうだよ。私達、両思いだったんだけどお互い勇気が出なくて・・・だけど、誰かが私達をくっつけてくれたんだよねー」

「誰か・・・ですか」

「その子には本当に感謝してるよ!!」

「よかったですね」

菜々は少し悲しそうな表情を浮かべている。


(そのくっつけてくれた誰か・・・名前が思い出せない)