「そっか~。
 そうなんだ~。
 私のおとうさんも
 前まで乗ってたんですよ。」

「へ~~。
 おっきいやつ?」

悪戯っぽく言ってみた

「ふふふ。はい。
 たぶん。

 よくおかあさんが
 なんで車よりも
 大きいのに
 二人しか乗れないのって
 怒ってたから!」

ちっ!
確実に大型じゃねえか!

「そうなんだ?

 今は?」

「不経済だって、おかあさんが
 あんまり言うから
 渋々手放したみたいです。」

「あらら、もったいない。」

「でしょ~?
 よく後ろに乗って
 お出かけしたのにな~。」

「そうなの?
 怖くなかったの?」

「はい!
 もう、ブゥ~~ンって
 感じですよ?!」

左手でアクセルの真似をする
彼女

ほんとは右手なんだけどね
とか思いながらも
あまりのかわいさに
胸の奥が
キュ~~~ンとなった

今しかないと思い
勇気を振り絞る!!!

「久しぶりに乗ってみる?」

「え?」

「バイク。
 よかったらだけど・・・。」

大きな瞳を
より一層大きくさせながら
彼女が言う

「はい! いいんですか?
 乗せてくれるんですか?
 乗りたいです。
 乗りたい乗りたい
 乗りたいです!!!」

すごく興奮した様子で
嬉しそうにそう言ってくれた

そんな彼女をはじめてみた
どんどんどんどん
知らなかった彼女がみえてくる

そしてまた
どんどんどんどん
好きになっていく