雨上がりの薄暗い夕暮れ時

そう言って傘を返そうとしない
彼女

一瞬突風が吹く

「キャア!!」

彼女の髪が乱れ
セーラーがなびき
スカートがめくれた

薄暗くてもはっきりと
白いものが見えた!!

「・・・・・。」

睨む彼女

目をそらす俺

じょじょに真っ赤な顔に
なりながら彼女

「・・・見え・・ました?」

「え?・・・
 え~と。
 見えてませんよ??!!」

そう言いつつ
スカートに目を向けて
しまった俺

「・・・もう!」

そう言いながら
俺の傘で
俺を叩くふりをする彼女

「ははははは!」
 
「もう! ふふ。
 あはははは。」

笑い合う二人



「じゃあ、帰ります!」

と彼女

「あ!うん!」

「ほんとに。
 ありがとうございました!」

「いえいえ。
 こちらこそ!」

そう言ってまた
スカートに目を向ける俺

またまた
傘で叩こうとする彼女

ほんとうに
カップルみたいだ・・・

じゃあまた明日って

そう言って
彼女は家に入っていった

・・・・・。

はぁ・・・。

夢だったのかな?

しばらく呆然としていたら
また雨が降ってきた

俺は傘もささずに
自転車に跨り
ゆっくりとゆっくりと
家路についた