「う~ん。でもだめだよ!

 すっごい油で汚れるし
 切粉飛んでくるし!」

もちろん彼女にそんな仕事は
似合わない!!!

「きりこ???」

あれ?
あれ?

マジで妄想劇場の
再現だよ?!

「ああ。
 えっとね。

 金属を削った時に
 出るやつ。

 刃物で鉄を削るんだけどさ。
 その時にでる削りカスだね。」

「鉄を刃物で?
 刃物も鉄なんでしょ?
 
 鉄と鉄同士で削れるんですか?」

ねえねえみんな!
(誰だよ!)

かわい過ぎるよ・・・
どうしよう?俺!
幸せすぎて怖いよ!

鉄工所の人に聞いて
あんまりよく分かってない
知識を
ここぞとばかりに
ひけびらかした!

「なんかすご~い!

 いろんな仕事って
 あるんですね!

 いいな~バイト。
 私もしたいです。」

おれのくだらない
バイト話を
ほんとに笑顔で
大きな瞳を
クリクリさせながら
聞いてくれる彼女

ほんとに
ほんとに
俺が思ってた通りの
彼女だ!

「え? じゃあ今日は
 バイトは?
 大丈夫なんですか?」

「うん。今日は雨でしょ?
 だから休み!」

「?」

不思議そうに首を傾げる
彼女

なんでそんな
俺が大好きな
夢にまでみた妄想通りの
仕草するの???