彼女が自転車に乗らずに
傘さしながら
押して歩いてくるので

俺も慌てて自転車から
飛び降りる

「雨。結構降ってますし
 押して行きます?」

と彼女

「うん!押して行こう!」

とテンション上がる俺

だってその方が
より長くより長く
彼女と同じ時間を
過ごせる

ねえねえ?
これってさ!
周りから見たら
カップルだよね?
ね?ね?
そうだよね?!

嬉しいけど
クルックルになっていく
髪の毛見られるのは
いやだ・・・

いやだけど
そんな事よりも
彼女と一緒にいられる
方がいいに決まってる!

雨の音と車の音のせいで
電車の中よりも
少し大きめの声で
彼女が俺に聞いてきた

「先輩。
 バイトって何してるんですか?」

「ん? バイト?

 おとんの知り合いの
 人が鉄工所やってるんだ。

 その鉄工所。

 前はファミリーレストランで
 調理してたんだけどさ。
 時給そこより150円高くあげる
 からどう?って。

 んで即効そっちにいったんだ。」

「ふ~ん。すごい!
 なんか難しそうですね。」

「いやいや、これがまた
 簡単なの!
 
 なんか材料機械にセットして
 ボタン押すだけ。

 あとは機械がウィ~ンって。
 長いやつだと20分くらい
 ボ~っと見てるだけ(笑)。」

「え? 見てるだけですか?

 私にも出来そうですね!

 ふふ。」