「はい!傘!」

「あ!
 いいんですか?

 やっぱり誰も予備
 持ってなくて・・・。」

二本傘があるのを
確認して
彼女が言う

「うん!
 友達がさ。

 学校に置いてあるのに
 今日持ってきた奴がいてさ。

 そいつに借りたんだ!
 だから。
 
 はい!」

そう言って
彼女に傘を渡した

「ありがとうございます。

 じゃあ、お借りします!
 
 よかった・・・。

 誰も持ってなかったから
 先輩に期待してしまいました!」

・・・だって!

・・・かわいい!
かわいすぎる!!

罪だ!
このかわいさ過ぎは
罪だ!!!

もう
現行犯逮捕だ!!

な~んて事
考えてるうちに
俺たちの降りる駅

思い切って言ってみる

「あのさ・・・。
 
 途中まで一緒に
 帰っていい?」

「はい!
 
 一緒に帰りましょう!」

だって!

一緒にだってさ!!
ねえねえ!
聞いた?
一緒にだってさ!!
(誰に言ってんの?)

改札を出て

別々の場所に止めている
自転車を取りに行き
またすぐに
一緒になる