と同時に
学校の机の中に
折りたたみ傘を
入れっぱなしなのを
思い出す

今だな?
今だよな?
伝教師?
今言うんだよな?

言ってみるよ!
言ってみる!!

「帰り、前に言ってた
 電車?」

「え? はい。」

「俺さ、学校に傘あるよ!
 机に入れっぱなしのやつ。

 それ、帰り貸してあげるよ!
 ・・・よければだけど・・・。」

「え~?! 
 ん~。よくないです!

 だって、先輩のが
 なくなるじゃないですか。」

「いや、俺は大丈夫!

 ほら男だし。
 
 濡れたっておかんになる
 だけだから!」

「あははははは。
 おかあさんに?
 あははははは。」

楽しい!
彼女が笑ってくれるだけで
なんでこんなに楽しいの?
彼女の笑顔はすごい!!
一人の人間を
こんないい気持ちに
させてくれるなんて! 

「でも、一時間近くも
 電車の時間違うんですよ?」

「いや、今日はたまたま
 遅くなるんだよ!

 だから大丈夫!」

とっさに嘘ついた
というかつけた!

「え~、じゃああ。
 私も友達が誰も予備
 持ってなくて、
 帰りに先輩に会えて、
 先輩も誰かに予備
 借りられてたら
 貸してもらいます!」

・・・ううっ

どんどん確立が減っていく