「おまたせ~。」

まだちょっと
顔の赤い彼女が
帰ってきた。

「あ。こりゃどうも。」

「ぷっ。だから。
 さっきからそれ何?

 すごい変!」

「いや~。

 ・・・なんか

 ・・・緊張って言うか。

 ・・・なんて言うか。」

まだ彼女の顔が見れない
ものすごくものすごく
見たいのに

彼女の顔が大好きなのに。
彼女の事が大好きなのに。

なんとなく
誤魔化しながら
部屋を見渡した。

彼女のベットの脇に
何体かぬいぐるみが
居座ってた。

『チッ!
 なんていいとこ
 居座ってんだよ!』

そんな事思った瞬間に
ある一体のぬいぐるみに
目が止まった。

胸の所に
あきらかに手作りで
それでいて
しっかりと
作りこまれている
名札の様なものが
縫い付けられていた。

それに視線が行ってる事に
彼女が気づいたのか・・・

「うわ~~~!!
 いや~~~!!
 だめ~~~!!」

本日2度目の
奇声を挙げて
そのぬいぐるみを
抱き抱え
隠した!

真っ赤になる彼女。
真っ赤になる俺。

名札にはおれの
下の名前が・・・。