「だから俺は決めたんだ。
 絶対好きな奴にしか
 かわいいとか好きだとかは
 言わないって。

 狼少年と一緒だよ。
 いざ本気って時は
 誰も信じてくれないってね。」

慰めながらも
なんとなく説教も兼ねてる様に
自分の話をしてくれる

「だから俺ら、自分で言うのも
 何だけど、ラブラブだぜ?!
 絶対あいつにしかかわいいって
 言わないし、好きだって
 逢う度に言ってるぜ?

 俺も二度とあんな思いするのは
 嫌だから。
 
 だから、今、大好きな奴にしか
 かわいいとか好きだとか言わない
 んだ。実際、ほんとにかわいく思うし
 大好きだしな。
 その気持ちをストレートに伝えてる
 だけなんだ。

 自信なんてなくたって、
 自慢出来る事なんてなくたって、
 俺があいつを想う気持ちは
 誰にも負けないってね。

 それが自信なんだよ。
 自慢なんだよ。
 それだけでいいんだよ!」

「・・・その通りだよな。
 俺、自信あったのに・・・。
 誰よりも彼女が好きだって。」

「・・・だろ?
 それだけでよかったんだよ。」



その通りだと心底思った・・・

絶対誰にも負けないって思ってた

一瞬だって彼女の事想わない時なんて
なかった俺
そんな俺の気持ちに勝てる奴なんて
いないと思ってた

今となっては
その自信は
なんの意味も持たないけど・・・



家まで送るよと言い
メットを被り
エンジンをかけて
走り出した・・・

ミラーを覗くと
彼女の部屋に明かりが付き

そこに彼女の姿があった様に見えた

でも
振り返るのが何だか怖くて

そのまま
一気にアクセルを開けた・・・

こうして俺の

4年以上の片想いは
幕を閉じた・・・