バイクをガレージから出し
暖機しながらヘルメットを被る

どこに行くって話もなく
バイクに跨り
スタンドを上げて
走り出す

俺の中ではどこに行くか
決まっていた

家を出てから10分位の距離の
公園

そう
彼女の家の裏の公園だ

公園に着き
エンジンを止める




「??公園??」

そう言いながらヘルメットを脱ぐ
伝教師

「うん。
 ・・・・・あそこ。
 彼女の家なんだ・・・。」

そう言いながら彼女の家を指差した

辺りは暗く
周りの家の窓には
明かりが付いていたけど
彼女の部屋の明かりは
付いていなかった

「いいのかよ?
 こんなとこ来て。」

「ん?・・・うん。
 今日で最後だよ・・・。
 もう二度と来る事ないから・・・。」

「・・・そうか。」

「・・・はぁ。
 ここで、そこのベンチに
 座って彼女と話ししたんだよな~。」

「・・・へぇ。」

「楽しかったな~。
 しかもかわいかった。」

「・・・ほう。」

「ポンッて俺の肩とか
 叩きながらケラケラ
 笑ってくれてさ。」

「・・・・・。」

「バイクに跨って
 ブィ~ンって言ったりさ。」

「・・・・・。」

「もうその仕草が
 かわいいのなんのって。」

「・・・・・。」