「そうか・・・。
 で? どうだ?
 あいつ、かっこいいか?
 イケメンか? あ?」

俺は何も言わず

首を左右に振った

「だろ?
 お前、負けてると思うか?」

「・・・分からん・・・。

 でも、負けたんだよ・・・。」

「・・・そうかも知れないけど、
 でもお前は、あいつに負けたんじゃなく
 自分に負けたんだよ!!

 自分で勝手に壁作ってさ、
 自信がないとか、自慢出来ることないとか

 結局、自分で勝手に決め込んで
 告りもせずフラれやがって・・・。

 俺と同じなんだよ・・・。

 だから早くしろって言ったのに・・・。」

「・・・おまえも?」

「ああ、そうだよ。
 俺もお前とまったく一緒だったんだよ。
 結局俺も何も言えずに、好きな子を
 ほかの奴に取られたんだよ。

 だから、だから早くしろって言ったのに・・・。」

「・・・ごめん。」

「おまえ、4年くらいだろ?
 片想い。
 俺なんて9年だぞ?!
 小学生ん時からずっと好きだったんだぞ。」

「・・・。」

「・・・。」

「・・・ありがとう。
 慰めてくれて・・・。」

「別に、嘘言ってるわけじゃ
 ないけどな・・・。
 
 まあ、座ろうや。」

そう言って

駐輪所の隣にある公園の

ベンチに腰掛けた

ポケットから煙草を取り出し

吸うか?とばかりに

差し出してくれた


吸った事がなかったけど

一本もらい

慣れない手つきで

火をつけた