彼女に知られたくなくて

早足で改札に向かう



改札を抜け

そのまま駐輪所へと

足を速める



もうすぐ駐輪所というところで

やっと後ろからの声に気づく


「待てってば! おい!」


立ち止まり

振り向いた

「あー、あのさ・・・」

そう言ったあと

少し黙って

伝教師が声を荒げて

俺に言う

「だから言ったじゃねえか!
 早くしろって!!!

 早くしないからこうなるんだよ!
 女は待っててはくれないんだよ!
 すぐに忘れて新しいのん探すんだよ!」

「・・・・・。」

「いいか?全部お前が悪いんだよ!!
 ぼやぼやしてるから!!!

 こんな事になるんだよ!!!!!」




言い返す言葉もなく

ただただうつむいていた・・・






「・・・すまん。
 言い過ぎた・・・。

 でも、ほんとにお前が
 悪いんだぞ・・・。」

「・・・分かっ・・てる。」

「さっきの男見たかよ?」

「・・・うん。
 あれ、おれの中学ん時の
 同級生だ・・・。」