日が暮れてくる・・・。

毎日毎日
胸の奥がモヤモヤしだし
会話も途切れ途切れになり

「じゃあ、帰るか?」

って、俺。

少し黙って彼女

「・・・うん・・・。」

電車の中とは違い
両手を差し出し

彼女も両手を差し出し

ギュウっと手を握る。

人生最後の別れみたいな
気持ちになりながら

何も言わずに

ただただ

ギュウっと・・・。

さほど身長の変わらない
彼女が

うつむきながら
視線だけを
俺に向ける・・・。

大きな瞳が
より一層大きくなり

俺の胸が
キュ~~~~ンとなる。

「明日・・・学校、
 休まないよね?」

「休まないよ!
 当たり前じゃん?
 
 だって、有香に
 逢えないじゃん・・・」

そう言うと
彼女はニコッとして

握り合っている
両手を
右へ左へと
スィングする・・・。

「ん! よし!」

俺は
彼女の

「ん! よし!」

が、大好きだ。

年下のくせに
偉そうなこの返事。

たまらない・・・。

もう、世界中のみんなが
死んでもいい!!

俺と彼女だけになってもいい!

そう思う瞬間・・・。