一瞬
?????
と思ったけど

その時の俺は
それがどういう事なのか
分かる筈もなく
話を続けてしまう

「っで?
 有香ちゃんは?
 好きな人いるの?」

先輩です!

な~んて答えを期待しつつ
でもそんな事絶対ないって
確信してたから・・・

「私は・・・。
 いないかな?
 
 自分から告白出来るほど
 勇気もないし
 自信もないし・・・。」

チラッと俺の方を見る彼女
でもそんな仕草には気付かない俺

「え~~!
 有香ちゃんで自信なかったら
 世の中の女の子はどうするの?
 悲惨じゃん?」

「・・・そんなこと・・・。」

なんだか
雰囲気が悪くなってきた・・・

焦りと不安とでその場から
立ち上がりバイクに取り付けてある
時計を見に行った

「有香ちゃん。もう4時だよ?
 そろそろ帰ろうか?」

まだまだ一緒にいたかったのに
ついつい帰ろうと言ってしまった

「・・・もう、帰る?」

「・・・うん。遅くなると
 ダメじゃんか。・・・」

「そうだね・・・。
 よし!先輩!帰ろう!」

いつもの彼女に戻った気がした

帰り支度をしながら彼女が言った

「先輩、また誘ってね!
 それから。
 この場所。
 絶対誰にも言っちゃダメだよ!
 分かってる?」

「分かってるよ!
 絶対誘うし、絶対誰にも言わないよ!

 有香ちゃんも約束だよ?
 また一緒に来てくれるのと
 誰にも言わないのと。」

「うん!絶対!
 私、頑張るから!」

?????

何を頑張るんだろうと
思いながらも
メットを被ってしまったせいで
それ以上何も聞かなかった・・・