「おいしかった!
 ご馳走さま。

 先輩。お金ほんとに
 いいの?」

「いいよいいよ、これくらい。
 なんてったって稼いでますから!」

「ん~、ごめんね。
 じゃあ次は私が出すね!」

「次?次って・・・
 また一緒に来てくれるの?」

「うん! 先輩が誘ってくれたら
 だけど。」

「ほんとに?いいの?
 誘っていいの?
 誘っていいんならお金なんて
 いいよ!俺が出すよ!
 ほんとにほんとにいいの?
 ほんとにほんとにいいんなら
 俺、バイト頑張るよ!
 いいのいいの?」

テンション上げ上げ!!

「ふふ。うん!
 誘って下さい!
 
 でも、次は私が出すからね!
 でないと、だめ! ねっ?」

かわいくってかわいくって
もう
大好きで大好きで
大好きなんて言葉じゃ言い表せない
くらい大好きで

ほんとにほんとに今

有香ちゃんが大好き!
有香ちゃんじゃなきゃだめだ!
俺と付き合って下さい!!

って言いそうになったけど

ふと
もう一人の自分がつぶやく・・・

『おいおい、やめとけよ!
 自分の顔鏡で見た事あるのかよ?
 彼女と釣り合うのかよ?
 
 言ったって後悔するだけだぞ?
 無理に決まってるだろ?

 今日だってたまたま暇だったから
 OKしてくれただけで、
 おまえなんかただの先輩の一人
 なんだからよ!!』

・・・・・
そう思った・・・

だから
何も言えなかった・・・

何も自慢出来る事のない俺なんて
彼女には相応しくないと・・・

それならば
少しでも長く彼女の傍にいたい

そう思うと
余計に好きだなんて言えなくなり
楽しいのに
楽しいはずなのに
どんどんどんどん
苦しくなってきた・・・