おにぎりとから揚げを持って
防波堤に腰掛ける二人

「先輩。食べよう?!
 私お腹空いちゃった。」

そう言いながらコンビニの
袋からおにぎりとから揚げを
出してくれる彼女

「先輩、おにぎりどれがいい?」

「あ、いいよなんでも。
 有香ちゃんが選んでからでいいよ。」

「だめだめ。先輩から!
 どれ?」

「ん~。じゃあこれ。」

そう言って手に取ったおにぎりを
彼女がまた取り返した

「これね?!
 ちょっとお待ち下さい!」

冗談っぽく彼女が言い
そのおにぎりを剥いてくれた!

「はい、どうぞ!」

「え?うん。ありがとう。
 いいのに・・・。
 自分でするのに。」

「いいのいいの!
 これくらい私がしなきゃ!
 運転手さんはお疲れでしょ?」

 ・・・いや?だった?」

そう言って瞳だけを俺に向ける
彼女・・・

もう
かわいくてかわいくて
どうにかなっちゃいそうになった!

「ううん!ありがとう!
 めっちゃ嬉しい!」

そう言いながらおにぎりを
口に入れた

「おいしいね!」

「うん!おいしいね!」


ほんとにほんとに
このまま時間が止まればいいのに

世界で二人だけになればいいのに

心の底からそう願い

短い人生の中で
一番おいしいおにぎりと
から揚げを
彼女と二人で食べた・・・

ほんとにほんとに
おいしかった・・・