「ごめんね。
 ついつい調子のっちゃって・・・。」

「ううん!大丈夫!
 先輩も大丈夫だった?
 運転しづらくなかった?」

「うん!俺は大丈夫!
 つうか、あの方が俺は
 運転しやすいかな?」

またギュッとしてほしくて
別にどっちでも同じなのに
嘘をついた・・・

「やっぱり?
 そう言えばおとうさんが、
 コーナーの時は一つになれ!
 って言ってたの思い出してさ。
 
 やっぱり運転しやすいんだ?!」

『コーナーっすか・・・。
 いやいや!おとうさん!
 ありがとうございます!』

と心の中で彼女のおとうさんに
お礼を言い忘れなかった俺

「そうなんだ!
 すごいおとうさんだね?!
 飛ばすの?」

「もう!
 やめて~ってくらい
 飛ばす時あったよ!
 
 だから今日はちょうどいいよ!
 めっちゃ気持ちいい!」

なんか褒められてるのか
間接的にけなされてるのか
分からんけど・・・

たぶんそんな事は彼女は分かってない
と思う・・・

ジュースを飲みながら
静かな峠で
ゆっくりとした時間を
楽しむ二人・・・

いや
俺だけかな?・・・

「さて!そろそろ行く?」

「うん!行こう!」

そう言って
手際よくまたメットをかぶり
休憩所をあとにした

徐々に下りになり
町並みが見えてくる

彼女の両手は俺の腰にあり
時折ミラー越しに目が合う

彼女の方から微笑んでくれ
俺も微笑み返す・・・

今まさに
俺の妄想劇場が現実になる!!!

うぅぅ。幸せっす!!!