「本当にこれで良かったのですか? 歴史上の事とはいえ、私は納得行きません」

「ボクは……両方だ。スワンでもありレイブンでもある」

「エイリ様……!」

「良いんだよ、ミナ。どうせ消える世界なんだ、特別に答えるよ」


エイリは時間がないから、と手短に答え出した。

自分はこう言う存在だから世界を破滅へ導く事も、世界を救う事も出来ないと。

その所為で向こうの研究所の一部の人間に、バカにされていたと言う。

何時しか力を憎むようになり、何処かで世界を壊してもらう事を望むようになった。

そうすれば力だって誰にも受け継がれる事もない、と考えたらしい。


「ミナは研究所の人間じゃない……“使い”を志願した彼女をボクが受け入れた。研究所の人間は嫌だから」

「まだまだ本当に貴方は子供ですね……私が振っておいて失礼かもしれませんが、時間がありません。

一緒に唱えましょう。大丈夫です。その言葉が私の力になりますから。ね?」

「ボクは唱えないよ?」

「貴方を信じています」