「じなないでぇー……」

「…………?」


慈が目を覚ましたのは真っ白い部屋であった。

辺りを見まわせばベソをかいた周の姿が。目はひどく真っ赤であった。


「……どうした、そこの不細工」


そう言って、ゆっくりと起きあがろうとした時だった。突然周に抱きつかれた。

何故そこまで泣いているのか、そこまで喜んでいるのか。それがよく分からなかった。


「よがったー……」

『此処は病院。周ちゃん、ずっと心配していたよ?だって今日で2週間だもの』


変わらずに周を守り続けていた由が言葉を呟いた。慈はまだ理解する事が出来ずにいた。

確かあの時、破滅の言葉を唱えた筈。なのにどうして自分がこうして生きているのか。

するとひょこっとタイミング良く志那と南雲が現れた。

周は南雲が来た事を知ってか、慈から離れて直ぐに顔を覆い隠していた。