「どうしてお前がそれを知っている……? ……! そうか、お前…それにその目の色も」

「察しが良いね。そう言う事だよ」


彼らは未来からやって来た人間であった。そしてエイリは救世か破滅の力を持つ人間。

ミナは恐らくエイリの“使い”。つまりは未来の研究所所員か所員の身内。

使いは元々、研究所の人間かその身内しかなれないものなのだ。

しかし何故彼らが世界を壊そうとしているのか。それが分からなかった。


「エイリ……さん。どうして私達に頼むのでしょう?

私達より先の未来にも同じ力を持つ方はいらっしゃるのに……」

「それはエイリ様の気まぐれです」


すかさずミナが志那の問いに答えた。志那は苦笑を浮かべ、慈は迷惑そうな表情を浮かべた。

“後から本を見たから、歴史通りの時代になったのは偶然だったんだ”とエイリ。


「俺達に頼まずともそっちがやれば良い事を……

お前が救世なら話は別だが、そっちの破滅に頼めば済む話。訳が分からん」