翌々日、慈は相変わらず風邪っぴきであった。


「そんな状態で仕事出来る……?」

「黙ってろ」


何時にも増して不機嫌度が高い。どうやら以前より悪化している模様である。

本人は大した事はないと言っているが、顔は若干赤みを帯びていた。


「だーめっ!まずは身体治さないと……ね?」

『あ、こんな所に……大変よ!』


その時だった。突然周とは違う少女の声が聞こえた。

慈は気付いていても、周は全く気付いていなかった。

周に気付いた由は霊力を少し高め、彼女にも見えるようにした。


「あ、由さん。お久し振りです」

「……何?」

『変な集団が何かを仕掛けようとしているの……!』