それまで明かりが灯っていた物、電気によって動いていた物がパタリと消え、動かなくなった。

辺りが薄暗くなり、一時の混乱が起きた。そして間もなくして、電気が復旧した。


「一体なんだったんだろうね?」

「……」


周は首を傾げ、慈は何かに驚いている様子であった。


「どうかした?」

「……関係ない」


相変わらずの返事であった。しかし慈は感じていた。

自分の背後に他の気配とは違う殺気に似た物を。しかしそれを放った物は誰だか分からなかった。

だから慈は気のせいだと勝手に決めた。