結局、半ば強引に連れて行かれる羽目となった。辿り着いた先は人気の少ない公園だった。

こうなるならば周と一緒にいた方がまだ良かった気がしてならない。

最近というか、昔からこの滝月梓佐(たきつき・あずさ)と言う人間は比較的仲が良い方だが少し苦手だ。


「ほら、どっちが良い?」

「別にどっちでも……」

「そう? じゃあ、こっちあげるよ」


飲み物を買いに行った隙に逃げる事も出来たのだが、

そうしなかったのはもう色々と面倒になってしまったから。此処で逃げてもどうせまた誰かと出会うだろうし。

そして聞かれた内容はまた墓参りの事。何で誰も彼もそんな事を聞いてくるのだろう?


「ま、仕方ないよね。あそこにいれば大抵の子は親の事を調べてくれる」

「お前も調べてくれたのか?」


奴は“そうだよ”と頷いた。何時か自分の親を探したいと言い出すかもしれないから、

それの為に協力する。別に不満はない。だけど俺にとってはどうでもいい事。


「過去に戻って会いには行かないの?」

「会った所で何になる? 同じ時間を共にするなんて出来ない。過去を変える事だって」