もう怖くない 僕は1人じゃない
だけど泣いてしまうのは
君を強く感じすぎたから―――…


「あ、Rinsaだ。また曲出したんだー」

「…………」

「さっきの答えは?」


立ち上がり、帰ろうとした時になって突然話を振られた。

誰の歌だか知らないけれど、この曲に聞き惚れている内に逃げようと思ったが駄目だったか。


「金は置いておくから、1人にさせろ。釣りはあったら返せ」


財布から千円札を2枚ほど置いていって一方的にその場を後にした。

周の不満そうな声が聞えたがそれは無視していった。構っていたらキリがない。

やっとの思いで1人になる事が出来た……のは良いのに。また人に出会った。


「やあ……って、そんな顔しないでよ。そうだ、折角だし何処かで話さない?」

「あんたとは何時も話しているだろうが……」

「君と2人きりってのはないでしょ?駄目かい?」