何処からか声が聞えた。幽霊?でも沢野の声ではないことは確かだ。一体誰が言ったのだろう?


「慈ちゃん? 顔色悪いけど大丈夫?」

「……気にするな」

「そう。それじゃ帰るね。明日、諒太(りょうた)さんを驚かせる為にお弁当作るんだっ!だから買い出し」


多分幻聴だ。こいつが言う筈もないし。そもそも声が周じゃなかった。

自分に言い聞かせたかっただけに過ぎないのか。こんなに弱かったっけ?


準備を終えた周はそのまま帰っていった。

俺はそれを見送った。そして担当から連絡が丁度入り、そのまま検診へと向かった。







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