にこっと笑い、喜んでと答えました。そして私はその場を去りました。楽しみが増えました。

この出来事から私は3日に1度のこの病院訪問が来る度に、蒼一さんにお会いするようになりました。

蒼一さんは何時も笑顔で私を出迎えてくれました。

彼の何処が悪いのかが気になりましたが、聞いてしまったらこんな風に楽しくはお喋りが出来なくなると思い、

聞く事は出来ませんでした。少し大変な力を使う中での、数少ない楽しい一時でした。

どんなに辛い事があっても、この数少ない一時が私を癒してくれました。


今日も何時ものように蒼一さんを中庭でお待ちしていた時でした。


「シナさんって貴方?」

「そうですが……?」


看護士の方が私に話しかけてきました。何故私の名前を知っているのでしょう?

すると1通の手紙を渡して下さいました。表には「志那へ」と書かれているだけで、差出人の名前はありません。

開いてみれば淡い青色の便箋が出てきました。

そこに書かれている文章を読んでみる事にしました。そうすれば誰が差出人かが分かる筈です。