こんな時、人を騙してまで私の秘密を隠す事が嫌になります。正直心が痛いです。

近くに時計があったのを見付けると、もう既に休憩時間終了1分前でした。


「ごめんなさい。多分もうそろそろ、大人のお話も終わる頃ですので戻りますね」

「ああ、ごめん。家族が入院って事はまた此処に来るって事だよな?」

「……はい」


確か暫くはこの病院での仕事が多いと言っていた気がします。

でもそれがどうかしたのでしょうか?私には分かりませんでした。


「俺は冴村蒼一(さえむら そういち)。草冠の“アオ”に、数字の“イチ”で蒼一。あんたは?」

「私は宮園志那と申します。“こころざし”に那覇の那です」

「志那、また会いたい」


それは少し照れくさそうな表情でした。