「別に今すぐやれって訳じゃないでしょ? だったら話さない?」

「口を挟むな」

「別に構わない。どうせあんたでお終いだし」


無駄に怒る刑務官。本当にこう言う奴らって厳しい奴らばかりだな。

にしても。とっとと終わらせようとしたらこの始末。今日ラストだってのに、どうしてこうなるかな。面倒だ。

何で構わないだなんて言ってしまったんだろうか。女は俺に目で何かを訴えた。

ああ、もしかしてこう言う事か?


「悪いけど少し別の所に行っていて?」

「しかし……」

「俺はもう人間じゃないから、護られなくても自分で全て対処するさ」


自分で言っていて別に悲しくはない。本当の事だから。鋭く睨んだら刑務官は去って行った。

“30分しても戻ってこなかったら、貴方の身に何かあったと考えます”と言い残し。


「やっぱ私の言いたい事を分かってくれるなんて、話が分かるね」

「で、何」


渡された情報にこいつも載っていた筈だが、目を一通り通しただけで詳しくは読んでいない。

だから誰だったかまでは分からない。と言うか、本当にこいつは犯罪者?